利用者Dさん、30代女性

Dさん、九州在住、30代
パート勤務
本人、夫、長女(中3)、長男(小3)、
次男(年長)、次女(2歳)の6人家族
専門機関受診を控えた次男について相談

基本コース 4回 + フルサポートコース 
4ヶ月利用


<目次>

「子どもが目立つことを恥ずかしいと思ったり、子どもを可愛いと
感じないことが自分でもイヤでした。」

心理士・田中:サポートを受ける前は、どんな状況でしたか?どうしてサポートを受けてみようと思われましたか?

Dさん

兄弟4人の中で、長女はASD、長男はADHDの診断を受けていました。

次男も年長になって、急に登園を
嫌がり、家での癇癪(かんしゃく)が
激しくなりました。病院を受診しようと思ったのですが、上の子の主治医に「新患なので、半年以上待つことになる」と言われ、上の子の支援員さんにmyself さんを教えてもらいました。

初回カウンセリングで、子ども達についてゆっくり深く話せて、こんな話をしたかったと感じました。

田中:サポート期間中、印象に残っていることはありますか?

Dさん

最初は、次男について相談していたのですが、そのうち兄弟のことや、夫のこと、私の子育て相談にもなりました。

以前、長女や長男のときは本を読んだり、ペアレント・トレーニング(親が子どもとの関わり方を学ぶプログラム)を2回受けたことがあったのですが、なかなか子育てが上手くいかず…。

子どもが目立つことに戸惑って、恥ずかしいと思ったり、可愛いと感じなかったり、私にも自由が欲しいと思ったりしていました。

そんな気持ちは他人にはなかなか言えないし、「こんな親は嫌だ」と自分でも
思っていましたが、かおりさん(心理士)に、「思ってもいい」「自分に合った子育てのやり方が分かれば、できますよ」と言ってもらったことを覚えています。

その後、子どもへの関わり方、考え方のクセを修正するサポートを受けて、
子どもの行動に対しての見方やかける言葉が変わって、親子関係と私の子育ても実際に変わっていきました。

「自信がついたのは、きょうだい一人ひとりの特性に合わせたサポートが、自分にもできると感じられたから。子ども達を信じて認められていることが、子育ての幸せにつながっています

田中:最初の頃、4人のお子様の子育てに一生懸命取り組んでいる様子がありながら、その中での自信や幸せな瞬間があまり伝わってこない感じがしていました。どのような変化があったと思われますか?

Dさん

自信がついたのは、きょうだい一人ひとりの特性に合わせたサポートが、自分にもできると感じられたからだと思います。

どんな特性から、この行動が起こっているのか、どうしたら改善できるかを丁寧に教えてもらいながらやっていくうちに、対処できないことはないし、子ども達もこうやって生きていけばいいんだ!と思えるようになりました。

頭のなかが自然に変わり、家庭での工夫も考えるようになり、「これを許すか
許さないか?」といった小さな判断にも、迷いや後悔が減りました。

よく聞く『褒める子育て』は理解できなかったですが、今は子ども達のことを
信じて認められていることが、子どもと一緒に過ごす中で、ふと感じる幸せにつながっていると思います。

高校受験の時に、『合理的配慮』の意見書を書いてもらって、別室で受験ができました。

田中:お子様達に変化はありましたか?

Dさん

次男は、園でスケジュール表やタイマーを取り入れてもらったり、リラックス
コーナーを作ってもらい、落ち着いて
過ごせる時間が増えました。

苦手だった野菜も徐々に食べられるようになり、金属音や妹の泣き声にも怯えなくなりました。

小学校に入学して、一時的に大変な状態に戻りましたが、myself のフォロー
カウンセリングで相談して、今は安定しています。

長女は高校受験の時に、『合理的配慮』の意見書を書いてもらい、別室で受験ができました。(合理的配慮については、下記<心理士のコメント>参照)今は通常教室で授業を受けています。

長男は相変わらずうっかりが多いですが、ここは変わらないと理解しているので、視覚情報を活用して、自分で工夫
するようサポートしています。

数年分の記録をメールで送り、アドバイスを文章で確認できたのは助かりました。面接だけだったら、ここまで変われなかったと思います

田中:ご兄弟それぞれのサポートや、お母様の毎日の声かけまで、丁寧に関わらせてもらいたいと思って、ご要望を取り入れながら『フルサポートコース』を作りました。どんな方に合うと思いますか?

Dさん

1人ひとりの事情を詳しく話すのは時間がかかり、検査結果や記録もあったので、メールでのやり取りをお願いしました。

数年分の記録をメールで送り、かおりさんからのアドバイスを文章で確認できたおかげで、すごく助かりました。

LINEのやり取りは数日に1回ぐらい。

「そのやり方で大丈夫です」「ここは次の面接日に話しましょう」とお返事を
もらうことで、リマインダーにもなり、何度も読み返しながら接し方を修正することができました。

実際、2週に1回の面接日だけだったら、ここまで変わることは難しかったかもしれません。

相談したい対象が1人じゃない場合や、
状況が複雑な人、ゆっくり話を聞いて欲しい人はフルサポートコースが結果的に満足できると思います。

私のように、もっと話したい、相談したいと思ったタイミングで、コースを変更するのもいいと思います。

回数も頻度も相談できるので、自分に
合ったペースで利用するのが大事だと思います。

田中:心理士としても、これまでの情報を共有してもらうことで、現在必要なサポートや、myself で進めるべきことがクリアになり、様々な関わりができたと思います。
良いサポート体制が作れて、感謝しています。

Dさん

長女や長男はこれまでも療育を受けてきましたが、変わらなかった部分に
対して、新たに有効な支援があることが分かって、放課後等デイサービスを追加しました。

長男は勉強や忘れ物とか、学校での問題に困っていたので、学校の様子を専門家に見てもらえる制度を教えてもらいました。

それで、学校での様子や、クラスや担任の先生について理解でき、担任の先生も「専門家にアドバイスをもらえて
よかった」と言ってくれています。

これまでの支援の延長線上にある
サポートを教えてもらい、必要な理由も詳しく説明してもらえるから、関係者に情報を伝えやすかったです。

田中:最後に心理士の印象を聞いてもいいでしょうか?

Dさん

かおりさんは温和な声のトーンと表情で、安心して何でも話せました。

丁寧に話を聞いてくれて、でも、大事な
ところでは「本当にそうかな」と切り込んでくれて、色んな自分に気付き、涙が流れることもありました。

思いもよらない新しい視点を知って、
見える世界が変わったと感じます。

内観のための時間

心理士からのコメント

今回、高校受験のサポートを受けるため、心理士の意見書を提出しました。

これは「合理的配慮」と呼ばれるもので、申請があった場合、行政や学校では特性や困りごとに合わせたサポートを提供することが、法律で定められています(2016年「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)。

さらに、2024年からは、企業も同様の
サポートを提供することが義務化され、
この概念がますます浸透することが期待されています。

ただ、その内容は「適切」で「過度でないもの」とされており、一方的に権利を主張するのではなく、お互いの建設的な対話を通じて調整されることが望まれています。

myselfは、発達障害児とご家族、教師や
学校どちらにも詳しいため、両者に適した提案や申請のお手伝いができると考えています。

また合理的配慮は、職場に対しても求めることができます。

2か月間のフルサポートコースは、Dさんの要望に応える形で作りました。

様々な手段を用いて、なるべく多くの情報をやり取りし、ご家庭の「今」に合った
柔軟なサポートを提供したいと思います。
ぜひご活用いただけると嬉しいです。

またDさんのように、これまでの考え方では子育てが上手くいかず、アップデートが必要になっているママ、お子様の課題を自分の責任と感じて苦しくなっているママに
出会ってきました。

お子様の成長だけではなく、ママが自信を持って子育てを楽しむお手伝いができることを願っています。